小学校の同窓会で得た教訓とは

小学校の同窓会に出席した。受付で名札をもらう時、ちょっぴり好きだった男子の名前を目にした。彼に会えると思うと心の中がざわめいた。小学校卒業以来一度も会っていない彼が来るんだと思うとドキドキした。彼と話したい!小学校卒業後、これまでの人生をどのように過ごしてきたのかすごく知りたい!聞きたい!と密かに切望した。座席表で彼の席を確認し、離れた自分の席から彼が着席するのを今か今かと心待ちにした。

 

わたしの背後から2テーブル(8人がけ円卓)ほど離れた席の彼が来るのを時々振り返って確認した。何度か振り返った時ついに彼の姿を確認した。白っぽい半袖シャツに髪は多め。見た目は年相応でかなり太めになっており、イケメンサッカー少年の面影はないようだった。彼を意識していることを周りの同窓生に気づかれることを恥ずかしいと感じているわたしが居る。こんな気持ちを誰にも悟られないよう、見るのは一瞬チラッとだけにしておこう。2次回で話そうと決めた。

 

小学校3年生のバレンタインデー、当時草刈正雄さんがcmをやっていた大好物のクランキーチョコレート1枚を彼のロッカーにこっそり入れておいた。スーパーで買ったとき、板チョコ1枚がぴったり入るバレンタイン用の封筒が添えられてあり、それに自分の名前だけ書いた。わたしのチョコがロッカーに入っていることを、彼より先に他の男子に発見されてしまった恥ずかしい記憶も蘇る。今思えば先に彼のロッカーをあけた男子は、カッコイイ彼がどれだけチョコをもらうのかチェックしたのかもしれないと思えてきた。きっとそうだ。

 

そして、その1年後4年生になり、バレンタインデーは再びやってきた。引き続き好きな彼とは教室の席が隣になっていた。たぶん当時のわたしにとっては、これまでの人生で最もラッキーで幸せな出来事だったのかもしれない。彼が隣に座っている時に机の下(中)にサッと人目につかないようにチョコを詰め合わせた箱を押し込んだ記憶がある。そして生まれて初めて「好き」と書いたラブレターを同封した。しかし彼の反応は何もなく、5年になるとクラスも変わり 好きな男子も変わった(笑)。
というエピソードのある彼である。

 

2次回の会場に移動して彼の姿を探した。歩き回って彼の姿を探したが探せなかった。彼と同じテーブルだった男子に彼のことを聞くと「 帰っちゃったよ 、あんまり話さなかった。車の販売してるって言ってたよ』
彼は帰ってしまった。2次回に出席しなかった。わたしは落胆した。激しく後悔した。懇親会で席を立って彼の席に行って話すべきだった。あなたのこれまでの人生を話して、 聞かせてといいに行くべきだった。
彼と話すチャンスはもう無い。翌朝目が覚めて後悔がまた蘇る。思ったらすぐ行動しないとチャンスを逃す。今回のことで身に染みた。どうしても連絡をとりたければ幹事に聞けばよいだろう。でもそこまでして連絡し個人的に会いたいわけではない。

 

わたしはアーティストでもある。
わたしは、アーティストだ。

 

あのとき、すごく柔らかくて美味しい赤身の分厚くカットされた極上のローストビーフを味わうことなど後回しにし、面倒でも自分の席を立ち、恥ずかしくても別の席を回って挨拶するべきだったのだろう。わたしはこれまでの宴会でほぼ座って食べることに没頭してばかりだ。アーティストはある意味アピールも大事だし営業も必要。面倒だからおざなりにしてきたが、「チャンスを逃すな」という教訓を得た出来事だった。縁がない人とは縁がないと諦めてもいいし、縁がなかったんだな、でも顔を遠くから一瞬眺められたからよかったと思えばそれで満足したような気もする。

 

彼は懇親会が退屈で誰とも話が弾むわけでもないので2次回にでなかったのかもしれない。でもわたしが今何をしているのか一方的に伝えに行ってもよかったなと思う。こんなチャンスを二度と逃さないためにも勢いよくパパッと行動に移したい。撮影に関することなら遠方でもここぞとばかりについ先日広島まで行って来たが、自分の活動を宣伝する方はそうそううまく進まず、積極的に行動できていない。反省しなさいということか。

 

こうして 、節目だからなんとなく出席してみた同窓会は幕を閉じた。
と締めくくるとつまらなかったように聞こえるかもしれないが全然そんなことはなく、担任の先生のほっぺにチュウした写真撮って後期高齢者の先生の免疫力を上げたり、 わたしの写真が載った週刊プレイボーイを一部の人に見せたりして活動を多少は伝えることができ楽しいこともいっぱいあった。

 

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